2023/07/06

 

歴史ある関西山岳会は品位ある山岳会でありたい

「関西山岳会創立100周年記念総会に関して

            

  関西山岳会(前会長)木下 荘

 

 「関西山岳会」の「創立100周年記念総会」が2023年6月4日開かれた。ようだ。

 1999年(故)赤山伸夫名誉会長から、活動再開の協力要請を受けて会の運営に携わり、2015年、会存続の危機には「拡大委運営委員会」「臨時総会」を主宰し「歴史ある関西山岳会」の組織を赤山夫氏への書簡の通り、岩井隆志現会長に引き継いだ。「歴史ある関西山岳会」の歴史の一端を担った責任者の一人として「創立100周年記念総会」この記念すべき日には当然、招待されるものと思っていた。が、何の連絡もなく案内状も届かなかった。100年に一度の記念総会に前任の会長に連絡もしない。この非礼をどう理解すればいいのか・・・・・。

 

 私は2022年年次総会後に退会したが、私が退会したのは会長職を投げ出したのではない。「関西山岳会退会表明にあたって」で会員のみなさんにご挨拶した通り、老人が在籍しているだけで、次の世代に有形無形の負担をかけている現状の老害を避けるため、率先して退会したものである。岩井隆志現会長は、2000年の入会。それ以来活動を共にして、最後は私のもとで副会長として、組織全体の運営に携わり、私が会でどのような存在であったかは当然十分承知していたはず。会長職引き続きは赤山伸夫への書簡の通り丁寧に引き継いだが、2022年年次総会は、混乱を極め、役員改選は示されず、私が引き継いだ組織、会則、人材養成、慣行を含むルール、の組織的運営は全く継続されておらず、さりとて、これに代わる軌道修正案も示されなかった。

 

そこで、年次総会後、前会長の私と、現会長、副会長3人の会存続に責任がある「KACトップグループ」のLINEトークで、副会長も成長している、副会長の仲間が多く入会したこの時期、会長交代の好機である。と、会長交代を勧告した。それに対して『最初からそのつもりです。仰る通りです。この機会を逃す手はありません!』『わたしが任期を待たずに退任するのもそのためです』と、会長交代を明言していた。当然、若者たちを中心とした会の近代化が実現すると期待していた。ところが、実情を知らせていない一般会員と、実情を承知している私を欠席させて自らの留任を決定している。この対応は信義にもとる行動で卑劣極まりない。この実情を知れば(故)赤山伸夫名誉会長はじめ心ある諸先輩は激怒するに違いない。

 

<注>@信義にもとる行動とは=道理に反する、人の道に反する。道理=物事の正しいすじみち。また、人として行うべき正しい道、悖る(もとる)=背く、あるべき姿に反する。A 卑劣とは=することが正々堂々としておらず、いやしくきたならしいこと。

<注>『』内はLINEトーク履歴の記録

 

会長は後継者を養成し、引き継いだ組織をステップアップして次の世代に引き渡す責務がある。それにも拘わらず、後継者養成を怠っただけではなく「創立100周年記念総会」では、後継者成長の機会を奪って会長留任を決定している。

 

 そもそも会長留任は、役員会で審議決定されていないようだ。(宮本役員談)役員会で前任会長から引き継いだ組織、「KACトップグループ」でのトーク内容、留任しなければならない理由を役員会で説明、役員会の結論を得た後、総会で役員会での審議決定の経緯を説明して、会員のみなさんの承認を得るのが筋。実情を知らされていない古参会員を含む一般会員は、会長留任に反対することも、抗議することもできるはずがない。会長は後継者を養成し、引き継いだ組織をステップアップして次の世代に引き渡す責務がある。それにも拘わらず、後継者養成を怠っただけでなく、後継者成長の機会を奪って留任を決定した今回の対応は

組織のトップとしてはあるまじき行為である。

 

岩井隆志会長の入会は2000年、私が赤山伸夫名誉会長の会活動再開支援の要請を受け会の運営にかかわった年である。従って君の入会から現在までの会での言動はすべて承知している。記録もある。「関西山岳会」の組織に育ててもらって今があることは否めない事実。私の入会は1957年12月、陰に陽に私にも世話になっているはずだ。2022年年次総会以降の電話、LINEトークでの立ち位置を弁えない態度、100年に一度の記念総会に連絡も案内も寄こさない。私への礼を欠いた言動は、1958年納山祭メンバーを含む「関西山岳会」の歴史に関わった全ての先輩方への礼を欠いていることである。「歴史ある関西山岳会」は君が創設したクラブではない。諸先輩が組織のステップアップを図り、組織の維持管理に努め、私が引き継いだ組織の延長線上にあるのが君の立ち位置である。

 

会員の中から後継会長を指名せざるを得ない制約条件下であったとはいえ、考えが甘かったことは、任命権者として猛省していることを2022年総会直後、既にホームページ上(http://niceguy-k.o.oo7.jp/kacx.html)で公表している。が、さらに「創立100周年記念総会」では、開催日を私に知らせず、私が不在の場で会長職留任を決定している。これは会長権の権利濫用である。

 なにより、昨年2022年6月7日に逝去された「関西山岳会」の歴史に大きな足跡を遺され、当会にとって中興の祖である()赤山伸夫名誉会長に対して席上、会員全員で黙祷を捧げて故人を悼んでくれたことと思う。が、その場に居合わすことができなかったことが残念だし故人に申し訳ない。また、故人の話を通じて「歴史ある関西山岳会」の歴史、全体像をみなさんにお話しする機会を奪われたことが真に残念だ。また、会の拠点「好日山荘」の大番頭であった毛利 潔氏にも触れたかった。

 

『憧れの関西山岳会の一員になれて嬉しく誇りに思います』これは昔の関西山岳会をご存じで、昨年入会されたZ氏が私にくれたLINEトークでの言葉。この言葉には感動。「歴史ある関西山岳会」は、そう思われるクラブであったことに、みなさんは誇りを持ってもらいたい。みなさんは縁あって「関西山岳会」の旗のもとに集った仲間です。信頼関係に裏打ちされた、より一層楽しい気品のあるコミュニティーが末永く続くことを期待します。

                                          以上

 私が引き継いだ「歴史ある関西山岳会」の組織は「2016年6 月以降の新体制」である。この体制は、2015年の「拡大委運営委員会」で審議、地方会員を含む全会員が参加した「臨時総会」で承認され『組織としての関西山岳会』の継続を決定したものである。