・・・・・米国・サンディエゴ在住、長男一家訪問の記録(2005・6・28〜7・11)・・・・・
【ドライブ旅行行程図】
2002年から米国・サンディエゴに赴任している長男一家を夫婦で訪問、全員で米国の国立公園、国定公園が多いグランドサークルと呼ばれるエリアの、グランドキャニオン、ザイオン、ブライスキャニオン各国立公園を車で回ってきた。
旅の前半は公園を巡り気温42℃を超える灼熱の中のハイキング、後半は長男宅に腰を据えて孫達の日常生活を垣間見てきた。
長男一家は夫婦、長男(12歳)長女(10歳)次男(8歳)の5人家族である。孫達はそれぞれ現地校と日本人補習校に通っている。日本人補習校は日本の学校と同一のカリキュラム1週間分を土曜日週1回9:30〜3:30の授業で修得するもので宿題も多く大変だ。兄弟はサッカークラブに入ってサッカーを、長女は体操クラブでチアリーダーの練習に通っている
サンディエゴ到着の翌日時差ボケの状態で長男宅を出発、Las Vegas1泊、Grand Canyon2泊、Antelope Canyonを見てPageの町で1泊、Bryce Canyon、を見てSpringdaleの町で最後の夜を過ごし、翌日午前中はZionをハイキングしてサンディエゴの自宅へ戻る全走行距離2427.4Kmに及ぶ5泊6日の長距離ドライブ旅行であった。
<第1日目、6月28日(火)>
JAL060便、関西空港発17:50に予定通り搭乗。ロスアンジェルスで国内線AA3091に乗り換えてサンディエゴへ、の旅程である。機内は満席。アメリカ国籍の日本人のおばあさんと隣同士となる。おかあさんを見舞いに帰国しての帰りだと言う。夫婦とも日本人だがサンディエゴに40年来在住しているとのこと、女房は盛んにサンディエゴの情報を仕入れている。サンディエゴまでは国内線乗り換えを含め事情に詳しいこの人についていけば安心、と思ったがアメリカ永住者の入国審査の窓口が別なので実際にはガイドして貰えなかったが。
出発直前の6月7日、英国ロンドンでの地下鉄同時爆破テロが発生した。その関係かロスアンジェルスでの入国審査は厳しくなっていた。一人一人指紋を採り、機内持ち込み荷物の検査では靴まで脱ぐ、といった有様。一人当たりの審査に多くの時間を掛けていた。そのため国内線乗換え時間が、ギリギリとなりゲートへ走りこんでヤレヤレと思ったとたん、乗り込んだ飛行機が故障で別の機に乗り換えさせられる、といったハプニングがあったが、何とかサンディエゴ空港に迎えにきていた長男家族の元気な顔に出会えることが出来た。
空港近くで、子供を含めて7人のファミリーが一週間の長距離ドライブ旅行に必要な大量の荷物を積み込める大型レンタカーを借りて長男宅へ。久し振りの再会を祝して乾杯。
<第二日目、6月29日(水)>
いよいよ今日から6泊7日の長期ドライブ旅行だ。長男家族は、若者らしくモーテル泊まりで、可能な限りモーテルで自炊をする、と言った安上がりスタイルで、これまでヨセミテはじめその他のナショナルパークを一家で旅してきたようだ。今回もそのスタイルで、とのことなので、われわれ老夫婦もそのスタイルに同調し、青春することとした。山でのテント泊のことを思えば、どうってことはない立派過ぎるほどだ。
レンタルした大型のフォード車に大型のクールボックスを含め大量の荷物を積み込んで、長男宅を7:10に今夜の宿泊地Las Vegasへ向けて出発する。Las Vegasまでは、限りなく一直線に近い道路を140〜150kmの速度ですっ飛ばす、が道路が広いこともあってか余りスピード感はない。オートドライブ装置がついているので運転も楽だそうだ。途中でフーバーダムなどを見物しながらLas Vegasへ2:00到着。ホテル「Luxor Las
Vegas Resort Hotel and Casino」でバイキング形式の昼食を取る。レストランは2時過ぎだと言うのに長い行列ができていた。おまけに食券を買ったあとも、7人分の席が空くまで暫く待たされる。
折角、賭博の街Las Vegasへきたからには大金を掴んで帰りたかったところだが、子供たちは賭博場への入場禁止とあって残念ながら大金持ちになる機会を活かすことができなかった。この日は終日子供たちに付き合って徒歩での市内見物、Tresure Islandの名物無料ショー「海賊ショー」を見に行くのが少し遅くなって、残念ながらまともに見れなかった。ショウーが遅くから始まったこともあって宿舎のホテル帰着は午後11:30。夕食はホテルの自室で取る羽目になってしまった。
<第三日目、6月30日(木)>
宿舎のExcaliburを9:30出発。昨夜は床につくのが遅くなり、出発が遅くなってしまった。いよいよ今日からがNational Parks巡りの本番始まりだ。Las VegasからGrand Canyon目指してルートUS-93を南東へ、US-40を東へ、AZ-64、US−180を北へとひた走る。子供たちは車での長距離旅行は慣れているのだろう、結構退屈せずに3人で楽しく遊んでいる。
Grand Canyon National Park3:30到着。公園入り口の料金徴収所で車1台につき50ドルのシーズン券を購入して入園する。この券だと有効期限内はアメリカのどこのNational Parksへも入園できるそうだ。この辺りからはLas Vegasからの砂漠の中の道路とは打って変わって、樹林帯の綺麗な公園らしい道路が走っている。車を降りてMather Point、Yavapai Pointなど、いくつかのビューポイントを見て回る。コロラド川の流れがアリゾナの大地を削り取って造りだした、日本では決してお目にかかれない広大な大渓谷が眼前に広がる。素晴らしい眺めだ。前半は、徒歩で子供たちも元気で見て回る。
帰路は、時間の関係もあって公園内を巡回している2台連結のシャトルバスで駐車場まで戻る。料金は無料だ。
今夜の宿舎はBest Westem Grand Canyon。料金は一部屋168ドル、アメリカのホテルの宿泊料金は日本のように一人いくらではなく、一部屋単位。夕食はホテル近くのカウボーイのショウをするのだろう、それらしき舞台のあるステーキハウスで食事。注文してもなかなか持ってこない。長男に言わすとアメリカは万事この調子で、気長に構えていないとだめ、とのこと日本のようなサービスは到底期待できないそうだ。そうとは分かっていても追加注文したビールがなかなか届かない、待ちきれずに文句を言ってキャンセル、申し訳ないので無料にする、と言うのを振り切ってホテルに帰ってくる。
<第四日目、7月1日(金)>
Briht Angel Trail の出発点l |
ホテル9:00出発。今日は今回旅行のハイライトであるBriht Angel
Trailを終日かけてハイキングする予定である。炎天下のハイキングとなるため本来ならば、日の出前に歩き始めなければならないところなのだが・・・。Briht Angel
Trailはコロラド川へ向かって標高差1000mのスイッチバックの道を3時間、Indian Gardenまで下り、同じ道を約4時間かけて上り返して来るコースである。Briht Angel Lodge近くに駐車、 Lodgeを通り抜けて左へ行くと、出発地点のBriht Angel
Traihead(標高2090m)だ。ここからいよいよスタートする。子供たちも元気に歩き出す、長女の孫娘は先頭にたって駆け下りていく。長丁場なのであまり飛ばさないように注意するのだが。
出発地点から1.5mileと、3mileの地点にResthouseがあり、水があるように書かれていたが、往路に立ち寄った1.5mileResthouseでは水は見当たらなかった。この時点ではまだ水は十分あったので問題はなかったが。小屋から少し離れた場所にあるのを帰路にきずく。炎天下の乾燥した砂地の道をゆくので、とにかく暑い、腕時計の温度を見ると42.3℃を指している。暑いはずである。熱中症が気掛かりだ。3mile地点のResthouseではシャツがビシャビシャになる位、水をかぶって歩き出す。途中で、下から登ってくるロバ(Mule)に乗った一隊と出会う。ツアーの団体らしい、このツアーは人気のツアーで、かなりの歴史があり100年近く続いているとか。
3mileResthous水を かぶってご満悦の次男 |
ロバに乗っている連中を見ると余計暑く感じる。とにかく暑い。道には野生のリスがチョロチョロと走り回っている。彼らは暑くないのだろうか。
12:10ようやく目的地のIndian Gardenにたどり着く。何組かのパーティーが休憩している。が以外に少ない。1.5mile、3mile地点のResthouseから引き返す人が多いようだ。ここで朝、長男のお嫁さんがホテルで作ってくれた「おにぎり」の昼食を取る。水場があり、ここでも水浴びをする。熱中症対策だ。孫娘が少し気分が悪くなって大休止の後、いよいよ登りの帰路につく孫娘の体調もすぐに戻ってきたようだ。日頃からチア・リーダーの練習で鍛えているだけあって回復も早い。
帰りは10歳の次男がトップに立って歩く。食事もモリモリ食べて元気一杯だ。自分は内心、いささか自信があったのだが熱中症にかかったのか終盤近くにはバテ気味となって一番最後になって出発地点に帰着する。情けない限り。山男、おじいちゃんとしては、その威力を示したいところだったのだが・・・・。
<第五日目、7月2日(土)>
9:50ホテルを出発。今日の目的は、水の侵食、更に風化で大地が深く削られ不思議な光景を現出していると言われるアンテロープキャニオンである。途中、グランドキャニオンサウスリム東のはずれにある石積みの塔(ウォッチタワー)がある「デザートビュー」に立ち寄る。タワーの中には壁画などが描かれている。現在は展望台と土産物屋になっている。その突端から荒野の中をくねくねと流れるコロラド川を望遠鏡で眺め、再び車にのってAz−64、US−89ルートを経由して地平線を目掛けて一直線に伸びる道をアンテロープを目指す。US−89沿いではインディアンが屋台を出して壷、ネックレスなどの土産物を売っていた。
アンテロープキャニオンは「アッパー・アンテロープキャニオン」(Upper Antelope
Canyon) と「ロアー・アンテロープキャニオン」 (Lower Antelope Canyon)の2箇所がある。われわれは「ロアー・アンテロープキャニオン」を訪れた。近くに行ったがそれらしい看板も見当たらない、行き過ぎてしまい戻ってきて、よく見ると道路から離れた位置に車が2〜3台と掘っ立て小屋を見つける。それが入場料料金徴収所とガイドの溜まり場だった。ここはガイドが付き添わないと峡谷内には入れない仕組みだ。料金を払って周囲を見渡すが、砂地の平地が広がっているだけで、それらしき入り口は全く見当たらない。
見当たらないはずだ。左の写真がその入り口。標準体重の人でなければ、潜り込めないだろう。この下の全長1300ft(約400m) 深さ:約50ft(約15m)に不思議な光景が広がっていた。インデアン少年のガイドが、洞窟?渓谷内の最深部まで案内してくれて、そのまま引き返していく、帰りは来た道を自分たちで勝手に帰ってくれ、と言う仕組みだ。それにしても自然の驚異には驚かされる、岩の隙間から差し込んでくる太陽の光で内部の場所によってさまざまな幻想的な光景がかもし出されている。国立公園ではないが一見に値する場所である。
ロアー・アンテロープキャニオンの入り口 (写真)右の写真は、その内部
アンテロープからPageの街へ。夕食後、全米第2位の広さを誇る人造湖Lake Powellを訪れる。コロラド川の上流を堰き止め、1956年に着工、1966年完成、満水にするのに17年も掛かったと言われる巨大な人造湖を見学。現在はマリンスポーツの人気リゾート地となっている。Best
Westem Arizona innに4:00チェックイン。
<第六日目、7月3日(日)>
ホテル8:15出発。今日は風化した石柱(HooDoo)が林立しているBryce Canyon
National Parkを訪れる予定。。USー89で60マイルほど西に行きKanab(カナブ)を 北へUT-12に入り東へ向かええばブライスキャニオン(Bryce Canyon National Park)だ。 峡谷の中を歩くトレイルは駐車場から峡谷の下に向かって降りていくコース。赤茶けて風化した石柱の間を縫っての道には2〜3箇所自然のトンネルがあり、それを通り抜け、ナバホトレイルの最終到達点まで行き、元の道をもどってくる。子供たちは道なき道を勝手に歩き走り回っている。元気があり余っているようだ。
ブライスキャニオンからザイオンへ向かう樹林帯で山火事にであう。消防車が一台道路脇に止まっていて消防士も2〜3人いるが消火活動に取り組んでいる様子もない。樹が燃えるのを見ているだけである。道路脇の樹からは煙と炎もでているし火事の範囲は広がるようにも見えるのだが・・・・。のんびりしたものである。
pm7:10 Springdale(スプリングデール)の街のQuality inn Springdaleの宿舎にチェックイン。
<第七日目、7月4日(月)>
Zaion National Parrkはブライスキャニオンとは全く様相を異にした風景、クサリ場もある岩山である。今日は楽しみにしていた
エンジェルズ・ランディング (Angeles Landing)の岩山登りである。ビジターセンターからシャトルバスで登山の出発地点であるThe
Grotto停留所で下車。。気合を入れて歩き始める。歩き始めてすぐに女房の明子が足首を捻挫するハプニングがあったが、持参のテープでテーピングをして大事に至らず、ほっとする。1時間ほどで高所恐怖所の人は無理でしょうと言われるクサリのある岩場に到着、第一のクサリ場
エンジェル・ランデングのルート(赤線) |
は全員で登り切る。上から降りてくる外国人の女性はお尻をつけ、しゃがみ込んで、引きつった顔をして本当に怖そうに降りてくる。われわれパーティーの方がはるかに登攀能力は上だ。第二のクサリ場の手前で女性軍と子供たちは待機。息子と二人で頂上を目指す。高所恐怖症の人はわからないが、言われているほど険しいルートでもない。これなら子供たちでも十分登れる程度、一緒に登らなかったのが悔やまれる。いい想い出になったものを、と今でも残念。頂上は思ったより広い。頂上にはリス一匹、青年二人、女の子3人お父さんの親子ずれ、とわれわれだけ。頂上からはバージン川が蛇行しているのが見える。
下山後、リバーサイドウォークトレイルの出発点、Temple of Sinawavaへシャトルバスで移動。道が途切れてバージン川に入るリバーサイドウォークトレイルの終点までを往復する。ここから先は川の中を行く
ザ・ナローズ (The Narrows)と言うハイキングコース。面白そうだがここは川の水を浴びるだけで、時間の関係で省略する。ここから再びシャトルバスでザイオンビジターセンターまで戻り、Pm5:00駐車場を出発、一路、San Diegoを目指してハイウェーをぶっ飛ばし7月5日AM2:00、やっと長男宅に到着、長くて短かった、楽しい旅を終える。
<第八日目、7月5日〜10日>
サンディエゴに戻ってからはサンディエゴ・ベイに浮かぶ「ミッドウェイ空母」を見学しり、子供たちが所属しているサッカークラブ、チアーリーダー体操クラブの練習、日本人補修校を見に行ったり、で過ごす。短い期間で子供たちの生活の一部をを垣間見ただけで一概には言えないが海外駐在員の子供はよく勉強しているし、頑張っているなー、との印象だ。「環境は人を育てる」と言うが日常的にこの環境に真剣に対面している姿勢を見ていると将来、どのように育っていくのか大いに楽しみでもあり興味がある。とにかくよく遊び、よく学んでいる。参考に子供たちのある日を記すと次のようなもの。
子供たちのある日の生活(学年、個人によって若干の違いはあるがおおよそ次のようなもの) |
@午前8時前後〜午後3時30分頃まで現地校に登校 |
A帰宅後、サッカー、チアーリーダークラブの練習が始まる午後5時・6時まで現地校、日本補修校の宿題・勉強 |
Bサッカークラブの練習は5・6時〜6時15分・7時45分。チアーリーダー体操クラブの練習は6時30分〜8時 |
C土曜日は午前9時30分〜午後3時30分まで日本人補修校で日本と同一のカリキュラム1週間分を勉強、 従って宿題も多いようだ。 |
この様な状態で帰宅して風呂に入って、となると夕食は毎日9:00〜9:30頃。学校の登下校、各練習会場への子供の移動には親が付き添う法規制があるそうなので親も分刻みのスケジュールで大変だ。
今回の旅行はハードではあったが楽しい時間をみんなで共有でき、それぞれの立場で新たな体験をして大変楽しい旅となった。それにしても孫達が、遊びに勉強に、それぞれが直面する問題に積極的に取り組み、活き活きと活動的に過ごしている姿を目の当りにすると、改めて、大変心強く感じるとともに子供たちの成長振りには目を見張るものがあり本当に驚かされた2週間だった。
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